• 五月のごあいさつ

    ただ今、放送中の朝ドラ「虎に翼」にどハマり中!

    女性が今の時代より生き辛い時代に自分の道を突き進む姿や主人公を取り巻く同級生たちの環境も興味深い
    朝から前のめりにドラマの世界に入り込んでしまっている
    何気ない言葉のやりとりに心を掴まれ、朝から涙が…。
    これって歳だからかなぁーって思ってしまいそうだけど、敢えて私は否定する

    感情をあまり絡めないことが人との関わり方、
    なんて決めてしまうから感情のほとばしりの最たるもの(涙)なんて、なかなか出ない
    でも真剣にドラマの会話を聞き入ると、かなりな本気度が伝わってくるから思わずホロリとなる

    「さぁー、仕事だ」と涙を拭いて立ち上がる午前8時15分。
    ぼんやりとしていた胸の内が整い、少し優しい気持ちで今日がスタートする
    しっかり書かれた脚本家のドラマが胸に刺さらない訳がない
    またそれを演じる役者さん達は物語を解釈し、演技に入るのだから

    人には天分というものがあるという
    身に備わったものを最大限に発揮してこそ生きるという意味になる

    晴れ渡る皐月の空、マンションの低層階に泳ぐ鯉のぼり
    少しづつ季節が流れていく五月

    久保田真弓

Story
寄稿

萬器三十周年に添えて

 土と火と水、そして手技。器は、自然と人間の接合点で生まれる表象である。その意味や価値を無言のうちに語りかけてくるから、私たちは器という存在に惹かれるのかもしれない。

あえて「器」と書いたのは、このたび三十周年を迎えた「萬器」の名前にちなんでのこと。もちろん、「器」は、工芸から生み出されるすべてのものに置き換えられる。今日まで三十年の長きに亘り、「萬器」が扱ってきた表象のかたちは数限りない。それらひとつひとつが誰かの手に渡り、親しく使われ、愛されながら、この世界のあちこちに点在する様子は何かに似てはいないか。無数に散らばる星々を線で結んだとき、まなうらに浮かび上がる図形。それは私に星座を想起させる。

思えば、「萬器」は、歳月と空間をつうじてものとひとを交差させ、繋ぎ合わせながら拡張する役割を任じている。着々と、黙々と。これもまた創出の表現である。

平松洋子 Yoko Hiramatsu

作家、エッセイスト。東京女子大学文理学部社会学科卒業。2006年『買えない味』でBunkamura ドゥマゴ文学賞、2012年『野蛮な読書』で講談社エッセイ賞、2022年「『父のビスコ』で読売文学賞を受賞。『食べる私』『日本のすごい味』『肉とすっぽん 日本ソウルミート紀行』『ルポ 筋肉と脂肪 アスリートに訊け』など著書多数。

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