出会いは、10年前 とあるギャラリーで
手にとった瞬間
惹かれてしまった うつわ
石田さんの南蛮焼締
私の中で、石田さん、というと
南蛮の…と、勝手なイメージが定着していた
10年間、まいにち まいにち
ともにしない日はない、というくらいに
我が家の食べる、を支えてくれた うつわ
ざらっとしていた手触りも
いつの間にかに 角がとれ、柔らかくなり
艶も出てきた
ただいまー、おかえりー
今日も くたびれたよ
お疲れさまね…
物言わぬ うつわと、心の中で会話する
いつも どんな時にも
受け止めてくれる
石田さんの焼締は
我が家で、そんな風にいてくれた
何でもなく、何気なく
素朴、を、絵に描いたような顔をして
何でもない、の中にある
やさしさと あたたかさ
10年 という 長い月日、
今日は気分じゃない…
という日は、ひと時もなく
いつも 自然と このうつわに
手がのびてきた
飯碗、でも、汁椀
でもないのに なぜだろう…
と、理由を探る
と、理由を探る
それはきっと
そのおおらかさに 包まれたくて
自然と 心が求めてきたからかもしれない
おおらかな 包容力のある うつわ
技術や経験、センス…
うつわが評価される基準は
いろいろとあるけれど、
その どれもを 越えたところにある何か
石田さんの うつわには、
その 何か、が、確かにある
それこそが 石田さんのうつわの魅力だと
感じます
朗らかな笑顔で お話し下さった石田さん
人の作り出すものは、
自ずと、その人となり、が
現れると言います
石田さんにお会いして
いつもそばにある、我が家のうつわの魅力
その答えに 出逢えた気がしました
(本当は、個展のうつわのご紹介をしたかったのですが
前置きが長くなってしまいました…)
実物を はじめて手にした
紅毛手(こうもうで、と読みます)
滑らかな、琺瑯のような質感
南蛮焼締とは、対極にあるような このうつわ
同じ作り手の仕事 とは思えない、
驚きと、静かな感動がありました
轆轤でひいてから
石膏型で成形されているリム皿
美しいエッジ、程よい余白
どんなものでも 受け止めてくれる包容力は
変わらなくて
あぁ、やっぱり、石田さんのうつわだ
と、思います
このうつわに 何を盛り付けようか…
うつわからお料理を考えたくなる
そんな うつわです
掌に、そっとおさめると
なんだか やさしい気持ちに包まれる
何気ないようで、
何でもないようで、
実は すごい うつわ
ぜひ、たくさんの方々に
ご覧頂きたいです
長くなってすみません…
スタッフ 西川
…………
『 石田誠 展 』
2015.7.11~22 10:00-19:00 会期中無休
北千住店にて