2016-11-06

「 湯を沸かすほどの熱い愛 」




長男の学校行事が思いのほか早く終わり
久しぶりに家族が揃った土曜日。

 陽も傾きかけていたけれど、
せっかくだからと思い立って、近くのシネコンへ。


先日お客さまから勧められ
絶対に劇場で観よう!と決めていた
「 湯を沸かすほどの熱い愛 」 を娘とふたりで。 (夫と息子、男子チームはデスノート!)


本屋さんで目にとまり、手にしていた
中野量太監督の脚本。
やっぱり映画を先にしよう
と、パタンと閉じた。
前情報を入れずに観たかったから。

休日の夕方。人影が沈む座席は疎ら。

娘には、内容的にまだ難しいかも…
という心配は
はじまりの5分で安堵に変わった。

涙 と 笑
涙、涙、涙
笑、涙…

こんなにも、声を抑えながら
震えながら、映画を見たのはいつぶりだろう…
人目を憚らず、声をあげて泣き出したい気持ちを抑えるのに必死の2時間。


よくある 「 闘病もの、余命もの 」 と言われる
お涙ちょうだい的な
ただひたすら 涙、涙、の作品とは違って
いい小説に出会えた後の読後感にも似た
じんわりと、あたたかいものに包まれるような気持ちになった。



ロングランヒット作の影に
埋もれさせてしまうのは
あまりにももったいない作品。




出入り口の待合ロビー。
娘とふたり並んで、
夫と息子の帰りを待ちながら
ふいに、ぎゅっと握られた小さな手。
あたたかな感触に
また涙が出そうになった。


居てくれてありがとう。


やわらかな 愛おしい手を
いつもより強く、握り返した。







心根の優しい人たちが
懸命に生きている。


その真ん中にはお母ちゃん。


色褪せることなく、
いつまでも、きらきらと
生き続ける笑顔。


偉大な偉大なお母ちゃん。


私など、到底辿りつけそうにないけれど
永遠の憧れ。



スタッフ   西川